対馬野生生物保護センターではツシマヤマネコの生息に必要な環境の維持・改善、ケガをしたツシマヤマネコの救護、生息状況の把握といった対馬島内での活動と合わせて、動物園と協力しながらツシマヤマネコの科学的知見の収集を行うとともに、ツシマヤマネコ野生順化ステーションを活用し将来的に野生のツシマヤマネコの個体数が維持できなくなったと判断された場合の飼育下繁殖個体の野生復帰に関する技術開発を行っています。
生息域内(対馬島内)保全活動
ツシマヤマネコが自然状態で安定して存続するためには、本種を食物連鎖の頂点とする多様な餌動物を含む生態系全体を良好な状態に保つことが必要です。このため、本種の生息にとって良好な環境条件の維持・回復するための取組や島内での分布状況の動向の継続的把握や生息状況のモニタリングを行っています。
また、本種の生息や繁殖に悪影響を及ぼす交通事故、シカ・イノシシその他の移入種等による影響の防止、傷病個体の救護及びリハビリテーションを行っています。
域内保全活動について詳しく
飼育下での繁殖(生息域外保全活動)
ツシマヤマネコの個体数は減少傾向にあり、特に対馬南部地域の個体群は生息密度が低く、生息地における保護対策の強化だけでは、これらの地域の個体数の回復の可能性が低いと考えられることから、将来的に飼育下繁殖個体の補強や再導入による野外個体群の回復を目的とした飼育下での繁殖を行っています。
また、併せて、伝染性の疾病の侵入、流行等による野外個体群の急激な減少に備えるため、飼育下での個体の集団の維持・充実を図っています。
域外保全活動について詳しく
飼育繁殖個体の再導入を含む野外個体群の回復
野外個体群の減少が著しい地域について、生息環境の改善・回復を図るとともに、飼育下のツシマヤマネコ集団の維持の目途が立った段階で、必要に応じ飼育繁殖個体を補強や再導入することにより、野外個体群の回復を図ることを念頭に、ツシマヤマネコの野生復帰のための技術(訓練の内容、能力の評価の仕方など)開発等を行っています。
野生復帰に向けた取り組みについて詳しく
その他
関係機関と連携したツシマヤネコと共生する地域社会づくり、普及啓発の推進、効果的な取組の推進のための連携の確保等の取組を行っています。